リスニングでは以下のようなお悩みはないでしょうか。
「設問を先読みしている間に気づけば音声が進んでしまっている…。」
「何となく理解できるのは音声の冒頭だけで後半は大体勘に頼ってしまっている」
「キーワードを聞き取っているだけで、正直音声の内容はわかっていない」
こんな状況でリスニングの点数が300点以下になっている方や伸び悩んでいる方がいると思います。
この記事ではこんな悩みに応えるためリスニングが3ヶ月で100点アップする勉強法についてお伝えします。
TOEICリスニングセクションは全部で4パート 合計で495点
TOEICリスニングセクションは、合計100問から構成されており、約45分間で行われます。このセクションは、リスニングスキルを評価するために4つの異なるパートに分かれています。それぞれのパートの詳細は以下の通りです。
パート | 問題数 | 内容 | 形式 |
---|---|---|---|
パート1 | 6問 | 写真描写問題 | 1つの写真について4つの選択肢から選ぶ |
パート2 | 25問 | 応答問題 | 質問やステートメントに対する適切な応答を選ぶ |
パート3 | 39問 | 会話問題 | 2人以上の話者による会話を聞いて答える |
パート4 | 30問 | 説明文問題 | 1人の話者による説明文を聞いて答える |
パート1: 写真描写問題
このパートでは、1つの写真が提示され、その写真について4つの選択肢が音声で読まれます。受験者は写真に最も適した選択肢を選ぶ必要があります。写真には人物や風景、物などが含まれ、それぞれの選択肢は写真の内容を正確に表現しているかどうかが問われます。
例
(A) The woman is reading a book.
(B) The woman is cooking.
(C) The woman is swimming.
(D) The woman is riding a bicycle.
パート2: 応答問題
ここでは、質問やステートメントが音声で読まれ、それに対する適切な応答を3つの選択肢から選びます。このパートは受験者の即応力を測ります。応答は短い文であり、質問の理解と適切な応答の選択が求められます。
例
音声: "How often do you go to the gym?"
(A) At 6 PM.
(B) Twice a week.
(C) For about an hour.
パート3: 会話問題
複数の話者による会話を聞き、その内容に基づいて3つの質問に答えます。このパートでは、会話の流れや内容を理解する力が試されます。会話はビジネスや日常生活に関連する内容が多く、会話が行われている場所や発言の意図などを聞き取る能力が求められます。
例
音声:
Person A: "Did you finish the report?"
Person B: "Not yet. I'm still working on the analysis."
Person A: "Please let me know when it's done."〜(会話が続く)
質問:
- What is the woman working on?
- What does the man ask the woman to do?
パート4: 説明文問題
1人の話者による説明文を聞き、その内容に関する3つの質問に答えます。講義やアナウンスなど、実際のビジネスシーンに近い形式の問題が出題されます。このパートでは、要点を把握し、詳細情報を正確に聞き取る能力が求められます。
例
音声:
"This is a reminder that the annual company picnic will be held this Saturday at Central Park. All employees and their families are invited. Please bring your own picnic baskets and blankets."~(長文が続く)
質問:
- What event is being announced?
- Where will the event take place?
- Who is invited to the event?
TOEIC リスニング300点以下の初級者がリスニング力を上げる3ヶ月
ここからはTOEICテストを初めて受ける方や初級者の方が効果的にリスニング力をアップさせるための対策について大きく3つご紹介していきます。
1ヶ月目:まずは発音記号について覚える
TOEIC初心者の方がリスニング力を向上させるための効果的な方法まず一つ目は「発音記号を覚える」です。
正直、発音に関しては私自身、最初全く意識していませんでした。
TOEIC初心者の頃はリスニングてほぼ暗号にしか聞こえず、聞いたことのあるような単語しか耳に残らなかったんです。
だから聞こえてきた単語やフレーズが選択肢にある場合のみしか正解できませんでした。
しかし、発音を意識するようになってから聞こえてくる音が格段に増えました。
発音の知識があるかないかでリスニング力の伸び方が変わってくるので、最初に触れたいと思います。
発音記号は英語の音を正確に表す記号であり、これを理解することで正しい発音を学ぶことができます。
まず、発音記号を覚えることで、単語の正しい発音を理解できるようになります。
逆にリスニング時、単語の正しい発音を知らなければ正確に聞き取ることができません。
例えば、「Allergy」という単語。
カタカナではアレルギーと読みますが、英語ではあえてカタカナ表記すると「アラジィ」という音になります。
発音記号では「ælərdʒi」になります。
各部分の発音について説明すると以下の通りです:
- /ˈæ/: 「ェア」の音で、「エ」で言い始め、「ア」と言いながら、アゴを一気に下げて「エ→ア」と音が変化するように発音します。
- /lər/: 「ラー」の音で、Lの音を意識しながら喉の奥から軽く発音します。
- /dʒi/: 「ジー」の音で、唇を突き出し、歯と舌で「ヂ」よりも強く破裂させて発音します。
このような正確な音を知らなかった場合、リスニングの音声で「Allergy」と流れてきてもアレルギーのことを言っているのか理解することは難しいでしょう。
具体的な対策としては、まずは基本的な発音記号を一覧で学び、
単語を覚える際に辞書等で発音記号を確認しながら、発音練習を行うことが効果的です。
下のような書籍やYouTubeなどの発音練習動画、発音アプリを活用するのも良いと思います。
発音記号を覚えることは、TOEIC初心者がリスニング力を効率的に向上させるための重要なステップです。
日々の学習に取り入れることで、確実にリスニング力の向上が期待できます。
2ヶ月目:音声を意識して単語を覚える
次に「音声を意識して単語を覚える」ことです。
単語の意味を覚えるだけでなく、その音声をしっかりと頭に入れることで、リスニングの際に聞き取る力が向上します。
・音声を意識した単語学習のステップ
ステップ | 説明 |
---|---|
1. 発音記号を確認 | 単語を学ぶ際に、発音記号を確認。例: "allergy" の発音記号は /ælərdʒi/。 |
2. 音声を聞く | google検索や単語帳付属の発音アプリで単語の音声を再生。何度も繰り返し聞いて正しい発音を習得。 |
3. 自分で発音する | 音声を聞いた後、自分でも発音してみる。口の動きや舌の位置を意識しながら練習する。 |
4. 文脈で覚える | 例文でも音声を聞いて、実際に使われる文脈で単語を聞き取り、文全体で覚える。 |
先ほど申し上げたように英語の音は、日本語と異なる部分が多く、アクセントやリズムに注意する必要があります。
単語を暗記をする際には、必ず発音記号も確認し、正しい発音を習得するよう心がけましょう。
故に、発音記号や音声アプリが付属していないような単語帳は選ばないようにしましょう。
単語帳を覚えて行く際は、実際の音声を使用して単語を覚えることが効果的です。
その単語の音声を繰り返し聞きながら覚えることで、音と意味が自然に結びつき、耳に残るようになります。
さらに、自分でその単語を発音してみることで、音声の特徴を体感し、より深く記憶に定着させることができます。
単語帳を読んでいるだけだとどうしてもつまらなくなって途中でやめてしまったり、
ちょっとずつしか進められなかったりと挫折しがちなんですよね。
だからこそ、音声を流しながら口ずさんで覚えていくことの方が継続しやすく、スキマ時間も有効活用できるので是非やって欲しいです。
初心者の方は特にTOEICに頻出する基本単語についてまとめられた参考書で基礎単語力を高めていきましょう。
TOEIC試験の内容の大枠を捉えるためには約3000語の語彙力が必要と言われており、出題頻度上位1000語くらいまでで約85%を占めると言われています。
高得点を取るためにはもっと多くの語彙数が必要ですが、まずは1000語を覚えることを目標にすると良いと思います。
以下はTOEICで必ず出る基本単語が1000語詰まっていて、薄く軽くて持ち運びも便利なのでオススメです。
3ヶ月目:スラッシュ音読で英語を英語の語順のまま理解するトレーニング
ここまでで音声を聞く準備はできました。
しかし、初心者にとって本当に難しいのは英語を聞いても意味を追いかけることはできない、最初聞けても途中でわからなくなってしまうということだと思います。
これは今まで私たちが学校で英語を学ぶとき、英語を日本語に置き換え、散りばめられた日本語訳を日本語の語順に直して意味を理解する、
つまりきちんとした日本語訳をつける作業を繰り返してきたことが災いしていると思っています。
リスニングの際、発せられた音声は同時にどんどん消えていくので、
英語を日本語の語順に置き換えて理解しようとするクセがあるとどうしても意味をとっていくことができないのです。
そこで英語を英語の語順のまま理解するトレーニングをすることが重要です。
そのために有効な方法の一つが「スラッシュ音読」です。
スラッシュ音読とは、英文を意味の塊ごとにスラッシュ(/)で区切り、その区切りごとに音読する方法です。
スラッシュリーディングでは、
「Please ensure / that all documents are submitted / by the end of the day / to meet the project deadline.」
のようにスラッシュを入れて英文を読んでいきます。
そして分けた英文を以下のようにそのままの順で捉えて理解していきます。
「確認してください。 / すべての書類が提出されることを / 今日中に / プロジェクトの締め切りを守るために」
このトレーニングをすると英語を英語の語順のまま理解することに慣れていくことができます。
結果、音声スピードが早くても意味を追いかけることが容易になってくるのです。
また、英文をそのままの語順で読んでいけるので長文読解スピードの向上にも繋がります。
TOEIC対策本で使用した文章でやると良いですが、自分でスラッシュを入れていくのは面倒だとか難しいという方がいれば、
以下の本で練習してみてください。
TOEIC リスニング300点〜400点の中級者がリスニング力を上げる3ヶ月
1ヶ月目:英語の音声変化:リンキング(連結)、リダクション(脱落)、アシミレーション(同化)について学ぶ
TOEIC中級者の方がリスニング力を向上させるために効果的な方法は英語の音声変化について学ぶことです。
特に、リンキング(連結)、リダクション(脱落)、アシミレーション(同化)を理解することで、ネイティブスピーカーの話す英語をよりスムーズに聞き取ることができるようになります。
表:音声変化の種類と例
音声変化 | 説明 | 例 |
---|---|---|
リンキング (連結) | 単語間の音が連結される | "The boss is out" → [ðə bɔs ɪz aʊt] → [ðə bɔsɪzaʊt]「ボスィザウト」 |
リダクション (脱落) | 音が脱落して短縮される | "gentleman" → [dʒentlmən] → [dʒen(t)lmən]「ヂェンルマン」 |
アシミレーション (同化) | 隣接する音が影響し合って変化 | "I miss you" → [aɪ mɪs ju] → [mɪʃ ju] 「ミス」→「ミシュ」 |
リンキング(連結)
リンキングとは、単語と単語が連結して発音される現象です。例えば、"boss is out" は「ボス イズ アウト」ではなく、「ボスィザウト」のように、最後の子音と次の単語の母音が連結されて一つの音に聞こえます。
リダクション(脱落)
リダクションとは、音が脱落して短縮される現象です。例えば、"gentleman"という単語だと「ヂェントルマン」ではなく脱落が起こると「t」の音が脱落し、「ヂェンルマン」のように聞こえます。
アシミレーション(同化)
アシミレーションとは、隣接する音が影響し合って発音が変化する現象です。例えば、"miss you" の同化後の発音は、"miss" の /s/ と "you" の /j/ が融合して「ミシュ」となります。
・具体的な学習方法
- 音声教材を利用する
- リンキング、リダクション、アシミレーションに焦点を当てた音声教材を使用して、実際の音声変化を耳で確認します。
- シャドーイング練習
- ネイティブスピーカーの音声を聞きながら、同じ速度で後を追いかけるように発音します。音声変化を意識しながら練習することで、リスニング力と発音力の両方を鍛えられます。
- ディクテーション練習
- 音声を聞き取り、そのまま書き取る練習をします。音声変化に注意を払いながら、正確に書き取ることでリスニング力が向上します。
英語の音声変化であるリンキング、リダクション、アシミレーションを理解し、意識的に練習することは、これまで聞き取れていなかった部分もクリアに聞こえるようになってきます。
日常的な練習を通じて、ネイティブスピーカーの話す英語をより自然に聞き取る力を養いましょう。
以下の本では英語の音声変化の基本を一からしっかり学ぶことができるのでオススメです。
2ヶ月目:イミテーション音読をする
ここまでで英語のリズムやイントネーション音声変化の基礎はできました。
次に行うのはイミテーション音読についてです。
ネイティブスピーカーの発音やイントネーションを真似して音読する練習方法で、リスニング力だけでなく、発音やスピーキングの能力も同時に向上させることができます。
イミテーション音読のメリット:
発音の改善:
ネイティブスピーカーの発音を真似することで、自分の発音を矯正できます。
特に、日本人にとって難しい「r」と「l」の音や、母音の微妙な違いなどに意識が向くようになります。
また先ほど申し上げた音の連結(リンキング)、音の脱落(リダクション)などに注意が向くようになります。
これにより、ネイティブスピーカーの速い話し方にも慣れることができ、リスニング力が向上します。
イントネーションの習得:
英語特有のリズムやイントネーションを身につけることで、リスニング時に文章全体の意味を捉えやすくなります。
例えば、I was very tired.という文章でveryを強く発音するのかtiredを強く発音するのかで話し手にとってどっちが重きをおきたい情報なのかが変わってきます。
このようなイントネーションの違いに意識が向くようになることで話し手の意図を捉えやすくなります。
耳が慣れる:
イミテーション音読を繰り返すことで、耳が慣れ、会話の情景をイメージしやすくなります。
例えば、I'd like to go to West Town.ときたらCould you tell me which train should I take.など行き方を尋ねるような表現が来るなと予測できるようになります。
これにより、実際の会話での理解力が向上し、リスニング中に場面を想像しながら情報を整理することができるようになります。
イミテーション音読のやり方:
- TOEICリスニングパートの音声を用意する:
- 強化したいパートのリスニング音声をスクリプトと共に用意します
- まずは短いセクションに分ける:
- 会話を一文ずつもしくは意味の塊ごとに分けて、それぞれの部分を聞きます。
- スクリプトを見ながら音声を聞いて真似していきます:
- 聞いた音声を真似して発音します。最初はゆっくりと、次第に音声と同じ速さで発音できるように練習します。
- 録音して確認する:
- 自分の発音を録音し、オリジナルの音声と比較します。違いを意識しながら、さらに練習を重ねます。
まず短い文から始めたいという方は以下のようなTOEIC part2の対策本から始めてみてください。
TOEIC問題集で対策をしながら同時にイミテーション音読をやっていくと効果的です。
TOEIC中級者でリスニング300点を超えたあたりから伸びないと悩んでいる方は、例えばPart3で冒頭の問題では聞き取れて正解を選べるんだけど、中間の文章が聞き取れずに間違えるといったことがよく起きます。
これはリスニング中、スムーズに聞き取れていなかったり、場面を想像しながら情報を整理することができていないからです。
ここまで発音や音読について話してきましたが、TOEIC対策をしている時に問題は解いているけれど、上記のような練習を取り入れている方は少ないです。
発音や音読を意識すれば、聞き取りがスムーズになり、会話の情景をイメージする余裕が出てきます。
これをTOEICの問題集を解きながらやるのとやらないのでは、大きな違いが出てくるのでぜひ取り入れてみてください。
3ヶ月目:TOEICリスニングパートの設問・解法パターンについて学ぶ
リスニングの基礎力はここまで手に入れたので後はTOEICの問題を解く力をつけていきます。
それが設問・解法パターンについて学ぶことです。
TOEIC試験は少し特殊で、学校での実力テストや大学の入試問題と違って毎回同じ出題内容で構成されています。
故に設問にパターンが存在しています。特にリスニングパートのパート3では、以下のような7つの設問パターンが存在します。
パターン | 内容 | 例題 |
---|---|---|
パターン1 | 概要(場所・職業・話題)に関する設問 | Who most likely are the speakers? |
パターン2 | 依頼・提案・申し出に関する設問 | What does the man ask the woman to do? |
パターン3 | 問題・心配事に関する設問 | What is the man concerned about? |
パターン4 | 次の動きに関する設問 | What will the man probably do next? |
パターン5 | 理由・意図に関する設問 | What does the man mean when he says, ‘‘I missed it.” |
パターン6 | 図表に関する設問 | Look at the graphic. Where will the speakers meet? |
パターン7 | 定型ではない設問 | Where will the annual concert be held next year? |
解法パターンを学習することは、同じような設問パターンに対して反射的に対応する方法を学ぶものであり、毎回同じ問題構成のTOEICだからこそ、解法パターンの学習は得点アップに直結します。
以下にそのメリットを挙げます。
- 素早く次の問題に取り組むことができる: 解法パターンを覚えることで、設問を先読みする余裕が生まれ、時間の無駄を省くことができます。
- 正答率が上がる: TOEICによくあるひっかけパターンに気づきやすくなり、誤答を避けることができます。
- 内容の理解が早くなる: お決まりのフレーズや表現を瞬時に認識できるため、内容を迅速に理解し、必要な情報を素早くキャッチできます。
以下に紹介する究極のゼミはTOEICの設問・解法パターンについて体系的に学ぶことができます。
正直、英語の基礎力がある方でもこれを知っているか知っていないかで、解くスピード、正答率が全然違うものになってきます。
センター試験で8割取れていたのに、TOEICでは残念な点数を取ってしまっていた私が、飛躍的に点数を向上させることができた理由の一つです。
いくら食材の知識があっても、調理法を知らなければ美味しい料理ができないのと同じで
TOEICも解き方を知らなければ正答率を高められないのです。
TOEICリスニング3ヶ月で100点アップの方法と注意点まとめ
ここまでTOEIC初心者、中級者別にリスニング力を効率的にアップする方法について紹介してきました。
総じてリスニング力アップに重要なことをまとめると以下になります。
- 発音記号と音声変化について理解し、音声を聞きながら単語を暗記する
- 英語を語順のまま理解するため、スラッシュ音読やイミテーション音読を行う
- 設問パターン・解法パターンを学んで速く正確に解く練習を行う
是非この記事を参考に皆様のTOEICスコアを大幅にアップさせてくださいね!
TOEICの勉強を一緒に見てほしい、今年こそ確実にスコアアップを狙いたいという方は是非、ご相談に来てください。
毎月先着3名様限定で60分の無料カウンセリングを行なっています。
それではまた! Bye for now!